思いっきり業界話でなんですが…。
私が所属している社会保険労務士会では、所属地区やテーマごとに様々な研修や勉強会があります。
今回は、数年前から導入されている電子申請の進捗状況に関する研修に参加してきました。
国が進めている
e-Japan戦略に基づく
電子政府の実現を受けて、我々の業務の一つであ
る、労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成や提出も電子申請が可能になりました。
ちなみに労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成や提出は、社会保険労務士の独占業務です。
たとえば、従業員の入社や退社に関わる役所への手続きは、社会保険労務士の資格を持つものでなければ業として行うことはできません。
今ではこれらの殆どが、電子申請で手続きできるようになっています。
ところがこの電子申請、一向に進んでいないのが現状です。
メンドくさい、電子署名取得&維持費用もかかる、複数の電子署名が必要etc...普及していない理由は様々です。
業界内での評判も散々な電子申請ですが、ようやく光明が射してきました。
事業主と社会保険労務士が、電子署名を省略することに同意する契約書を取り交わすことによって、6つの手続きに関して、事業主の電子署名を省略しての申請が可能になりつつあります。
すでに全国に先駆けて、3つの県でモデル事業も行われました。
この取組みが実現されれば、事業主は電子署名を取得することなく、6つの手続きに関して、社会保険労務士を通して電子申請が可能になります。
もちろん紙による手続きも従来通り行えます。
コメツキバッタのように書類に印鑑を押す業務から解放されて、社長も人事担当者も本来の業務に集中しやすくなりますね。
6つの手続きは、
1. 健康保険・厚生年金保険被保険者資格
取得届
2. 健康保険・厚生年金保険被保険者資格
喪失届
3. 健康保険・厚生年金保険被保険者
賞与支払届
4. 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額
算定基礎届
5. 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額
変更届
6. 厚生年金保険被保険者
住所変更届
業界のみなさんならピンときますよね!
そう、フロッピーディスクによる申請(以下、FD申請)が可能な手続きばかりです。
経験された方ならご存知かと思いますが、FD申請って慣れると結構ラク、ってか時と場合によっては紙で提出するより便利だと思いませんか?
今回の契約書による方法(以下、包括委任契約方式)は、FD申請で使用しているデータ形式で行うことになりそうです。
ただし、健康保険組合や厚生年金基金に加入している事業所では、FD申請導入時と同様、当面は厚生年金保険のみしか対応できない場合も考えられます。
これまでは、事業主に電子署名を取得してもらうことや、申請の都度、電子署名を付してもらうことへの負担を考慮して、電子申請を躊躇してきましたが、包括委任契約方式が実現したら、今度こそ私もトライしてみようと思います。
何より、中小・ベンチャー企業のIT化を進めるものであるなら、進んで取り組んでいきたいと考えています。
ちなみに、10月21日(金)から27日(木)は、電子政府利用促進週間だそうです。